不動産を現金化する方法は?かかる期間や住み続ける方法を解説

不動産を現金化する方法は?かかる期間や住み続ける方法を解説

急にまとまった資金が必要となり、所有する不動産の現金化を検討する方がいるかもしれません。
不動産を短期間で現金化する方法もありますが、焦るあまり損な選択をすることがないよう注意が必要です。
そこで今回は、不動産を現金化する方法や現金化にかかる期間、住み続ける方法について解説します。

不動産を現金化する方法

不動産を現金化する方法

不動産を現金化する方法には、それぞれメリット・デメリットがあるため、状況に応じて選ぶことが大切です。
ここでは、4つの現金化の方法を解説します。

方法①仲介による売却

不動産の売却でもっとも一般的なのは、不動産会社の仲介を通して一般の買主を探す方法です。
不動産を市場に出して売買するため、相場に近い価格またはそれ以上の高価格で売却できる可能性が高いです。
一方で、仲介による売却の場合、売主が見つかるまでに数か月以上かかることも珍しくありません。
現金化を急いでいる場合には、売却が資金の必要時期に間に合わない可能性も考えられます。

方法②不動産会社による買取

不動産会社による買取は、不動産会社が買主になり、売主と直接契約を結ぶ方法です。
一般の買主を探す時間が省けるため、短期間で売却ができる点が買取の特徴です。
一般の買主を見つけるのが難しい悪条件な不動産でも、不動産会社ならリフォームなどの手を加えて再販売できるため、買取が可能な場合があります。
ただし、買取の場合は、市場相場よりも価格が安くなることが多い点がデメリットです。

方法③リースバック

リースバックは、不動産会社の買取の一種です。
不動産会社と売買契約を結んだ後で、不動産会社を家主とした賃貸借契約を結びます。
不動産の所有権は不動産会社に渡りますが、売主は賃貸物件として同じ家に住み続けることができます。
リースバックの場合も、一般の相場価格よりも売却価格が安くなる場合が多い点には注意が必要です。

方法④リバースモーゲージ

リバースモーゲージは、所有する不動産を担保に金融機関から借り入れる方法です。
借入の契約者が生きている間は、担保に入れた住宅に住み続けることができます。
契約者が死亡すると、担保に入れた不動産は処分され、その資金が借入の返済に回される仕組みです。
リバースモーゲージは、年金だけでは必要資金の捻出が難しくなった高齢の方が利用するケースが多いです。
生前の返済は不要ですが、あくまで借金の形であり、融資限度額まで使い果たさないよう注意する必要があります。

不動産を現金化するまでにかかる期間

不動産を現金化するまでにかかる期間

不動産売却は、一般の買主を探す場合、数か月の時間をかけてじっくりと売却活動をするのが一般的です。
しかし、なかには急ぎでまとまった資金が必要となり、数か月の期間を待っていられない状況もあるでしょう。
ここでは、不動産の現金化でかかる最短期間や買取が早い理由、現金化に急ぐ状況について解説します。

不動産の現金化でかかる最短期間

不動産を最短で現金化したい場合は、不動産会社の買取を利用するのがおすすめです。
物品を中古ショップに持ち込んで売る場合、査定から現金化まで即日でできる場合が多いです。
不動産の買取も仕組みは似ていますが、不動産の場合は査定がより複雑になり、書類上の手続きも必要となります。
そのため、不動産の買取の場合は最短で1週間、長くて3週間ほどの期間がかかるのが一般的です。
現金化を急ぐ方は、売却を検討し始めた時点で、早めに査定を申し込んでおくことがおすすめです。
査定結果が出ている状態であれば、実際の買取を決めてから契約までがスムーズに進められます。

買取による現金化が早い理由

仲介による売却では数か月がかかる場合もあるのに、買取はどうしてそんなに早いのだろうと疑問に思われる方もいるかもしれません。
買取が早い主な理由は、買主が不動産のプロであるからです。
一般の買主は、内覧をしてから検討を重ねるため、購入決定までに時間がかかる場合があります。
一方、不動産会社ではある程度買取の可否の基準が定まっており、一度の内覧で買取が即決される場合が多いです。
また、売却に必要な書類上の手続きも、一般の買主に比べて滞りなく進んでいくでしょう。

現金化に急ぐ状況

マイホームを購入したばかりの方は、急に不動産の売却が必要になることなんてあるんだろうかと疑問に思われるかもしれません。
不動産の現金化に急ぐ状況として、よくあるケースは以下のとおりです。

●急な転勤や転職
●離婚時の財産の分配
●相続トラブルによる実家の売却
●借金問題


離婚や借金などの問題の場合は、資金が必要なだけでなく、近所や周囲の方に売却を知られないよう早く済ませたいなどの事情もあるでしょう。
状況が突然変わり、家を売却する必要が生じるリスクはあるため、そのような場合の対策を考えておくことは大切です。

不動産を現金化した後も住み続ける方法

不動産を現金化した後も住み続ける方法

不動産を現金化した後も、住み慣れた家に住み続ける方法としてリースバックがあります。
ここでは、リースバックのメリット・デメリット、買戻しの方法について解説します。

住み続ける方法「リースバック」のメリット

リースバックの最大のメリットは、今の家を引っ越さずに済む点です。
長年同じ地域に馴染んできた高齢の方や学齢期の子どもに転校をさせたくない場合などに、適した方法といえます。
リースバックにより家の所有権は買主に移りますが、生活上では何も変化がないため、周囲に売却の事実を知られることもありません。
売却した場合に必要となる、仮住まいの賃料や引っ越し費用などが不要な点も、リースバックのメリットです。

住み続ける方法「リースバック」のデメリット

リースバックのデメリットは、売却価格が市場相場より安くなる場合が多い点です。
また、賃貸借契約を結ぶ場合の賃料は買取価格が基準となります。
そのため、近隣の同条件の賃貸物件に比べ、賃料が高くなる可能性もあります。
買取価格が高いと賃料も高くなり、買取価格が安いと賃料も安くなる相対関係にあるため、交渉には注意が必要です。
また、賃貸借契約で「定期借家契約」を結んだ場合は、契約期間が満了すると更新できず、出ていかなければいけない点にも注意しましょう。

リースバックの買戻しについて

リースバックの契約を結ぶ場合に「再売買の予約契約書」を一緒に締結し、将来的に買戻しができるケースがあります。
買戻しとは、売却価格に上乗せした価格を支払い、不動産の所有権を取り戻すことです。
一次的にまとまった資金が必要となり、後からまた資金を調達できる見込みがある場合は、買戻しを前提としてリースバックを検討できるでしょう。
なお、リースバックは賃貸借契約の期間中におこなう必要があります。
前述の定期借家契約の満了後に退去を求められた状況では、家に住み続けることはできず、買戻しもできなくなるため注意しましょう。
買戻しを希望する場合は、借主が希望する期間安定して長く住み続けられる「普通借家契約」を結ぶのがおすすめです。
また、賃料を滞納した場合も賃貸借契約の解除事由となり、契約解除後は買戻しができなくなるため注意が必要です。

まとめ

不動産を現金化する方法には、仲介による売却や不動産会社の買取、リースバック、リバースモーゲージなどがあります。
急ぐ場合には、不動産会社の買取なら最短1週間程度で現金化ができます。
現金化した後も住み続ける方法としてリースバックの選択肢があり、将来的な買戻しも可能です。